この記事を読んでいるあなたは、おそらく「はじめてPCを買おうと思っている」「今まで使っていたPCが古くなって買い替えを検討している」そんな状況ではないでしょうか。
最近はYouTubeやX(旧Twitter)などで、「iPadをPC代わりに使ってます!」という投稿をよく見かけます。それを見ると、「もしかして、もうPCじゃなくてもiPadで十分なんじゃない?」と思えてきますよね。
実際、かつての私もそう思ってiPadを購入した一人です。
でも、今ならはっきりと言えます。
iPadは、PCの代わりにはなりません。
今回は、私がこの結論に至った理由を、実体験をもとにお話しします。
iPadとPCは「使い勝手」がまったく違う
近年のiPadは進化が著しく、PCと同じチップを搭載し、外部ディスプレイ出力やウィンドウ操作にも対応しています。マウスやキーボードを接続すれば、見た目はもうPCのよう。
一方で、PCも進化を続け、タッチ操作対応のものや、驚くほど薄くて軽いモデルが次々と登場しています。
このように、両者は互いに歩み寄り、似たようなことができるようになってきました。
でも、ここで冷静に考えてみてください。
- PCは、マウスとキーボードによる操作を前提に設計されたデバイス。
- iPadは、タッチ操作を前提に設計されたタブレット。
つまり、似ているようで、設計思想が根本的に異なるんです。
iPadでマウス操作は可能ですが、それは「タッチ操作向けのアプリをマウスで“触っている”」だけ。一方で、PCのアプリは小さなボタンや細かいメニューが多く、タッチではストレスを感じることも。
たくさんの情報を同時に表示し、精密な作業に向いているのがPC。
直感的な操作で情報を閲覧しやすいのがiPad。
この「使い勝手の違い」こそが、両者を分ける最大のポイントです。

PCとiPad、それぞれに向いている用途
PCの最大の強みは、生産性の高さです。
- 複数のアプリを同時に操作できる
- 高度な設定やカスタマイズが可能
- 外部ディスプレイや周辺機器との相性が良い
たとえば、Wordで文章を作る際も、フォントやレイアウト、行間まで細かく調整でき、まるで雑誌のような美しい仕上がりにできます。
文章作成、資料作成、画像・動画編集、データ分析など、アウトプット中心の作業は圧倒的にPCが快適です。

iPadの真価は情報を「読む・見る」といったインプット作業にあります。
- 電子書籍を読む
- PDF資料を閲覧する
- 動画視聴・ネット検索
- ノートアプリで手書きメモ
本1冊よりも軽い端末で、図書館並みの情報にアクセスできるのは、まさに情報革命。シンプルで直感的な操作は、iPadならではの魅力です。

iPadを「PCの代わり」として使うとどうなるか?
さて、ここからが本題です。
iPadをPC代わりに使おうとすると、いくつかの大きな壁にぶつかります。
iPadの主流サイズは10〜11インチ。一方、PCは13〜27インチが一般的です。
iPadでも外部ディスプレイ接続は可能ですが、操作性や対応アプリの制限で、PCほど自由には使えません。
特に、複数の作業を同時進行したい場合、画面の狭さが大きなストレスになります。
Excelなど、iPadでも利用できるアプリはありますが、細かな設定ができないケースが多いです。
たとえば、iPad用のExcelでは「セルの書式設定」が開けません。
また、ブラウザのソースコードを表示したり、HTMLを直接ダウンロードしたりといった、開発系の作業もiPadでは難しいです。
最大の問題はこれです。
iPadとPCでは、使えるアプリがまったく別物。
先ほどのWordやExcelのようにiPad用、PC用と2つ開発してくれているソフトはどちらでも使えますが、基本はそれぞれでしか動かないアプリを使うことになります。
たとえば:
- 会社で使っている業務アプリ
- 昔から愛用しているフリーソフト
- ネットで紹介されていたPC用の便利アプリ
これらはiPadでは一切使えません。
代替アプリを探すことは可能ですが、機能や操作性は異なり、慣れるまでに時間がかかります。そして何より、どうしてもiPadではできない作業が残ってしまうのです。

まとめ:iPadとPC、それぞれの「得意」を活かそう
iPadは、本当に素晴らしい端末です。私自身、iPadを購入してからは紙の資料や本が激減し、デスク周りがスッキリしました。必要な情報がすぐに手元にある環境は、一度体験すると手放せません。
しかし、それをPCの代わりとして使おうとした瞬間、不満が噴出します。
「iPadではできない」
「iPadは使いづらい」
そう感じてしまったら、本当にもったいない。
iPadとPC、それぞれの強みを理解し、適材適所で使い分けることが、快適なデジタルライフの第一歩です。
それでは、また次回の記事でお会いしましょう!