その設定、大丈夫?iPhoneのパスコードを盗まれたときのリスク

今や、iPhoneには私たちの個人情報がぎっしり詰まっています。

写真、連絡先、SNSの内容、クレジットカード情報に至るまで、「スマホがそのまま自分の分身」と言っても過言ではありません。

そんなiPhoneが盗まれたときのこと、あなたは考えたことがありますか?

「Apple製品ならセキュリティがしっかりしているから、大丈夫でしょ。」

そう思って、特に設定を見直さず使っている方も多いかもしれません。

しかし、初期設定のままでは、重大なリスクが潜んでいるのです。

今回は、iPhoneのパスコードを盗まれたときのリスクと、今すぐできる4つのセキュリティ対策についてわかりやすく解説します。

iPhoneはパスコードで守られている…はずだった?

iPhoneには生体認証や暗号化など、高度なセキュリティ機能が搭載されています。

そのため、たとえiPhoneが盗まれても、パスコードがわからなければ中のデータを見ることはできません。

ですが、もしもそのパスコードを盗み見られていたら…?

状況は一変します。

犯人はロックを解除し、あなたの写真やメモ、LINEの内容など、あらゆる個人情報にアクセスできるようになります。

さらにApple Payを使った決済、保存されたパスワードでの各種サインイン、Appleアカウントのパスワード再設定によるアカウント乗っ取りまで可能になります。

取られた時点でジ・エンド? 被害の全容

iPhoneとパスコードを手に入れた犯人は、まずAppleアカウントのパスワードを再設定します。

実は、Appleアカウントのパスワードの再設定は、アカウントにサインインされている端末からパスコードを入力するだけで、簡単にできてしまうのです。

これにより、iPadやMacなど、他のApple製品がAppleアカウントから強制的にサインアウトされ、「iPhoneを探す」や遠隔での「初期化」と言った操作ができなくなります。

さらには、復旧用の連絡先を再設定され、家族の端末を使ったAppleアカウント復旧の道も塞がれれば、いよいよ八方塞がり。

Appleの強固なセキュリティが裏目に出て、オーナー本人であってもアカウントに一切アクセスできなくなるという、本末転倒な事態に陥ってしまうのです。

米国で多発している実際の被害例

実際にアメリカでは、iPhoneを盗まれた後に銀行口座から大金が引き出される被害が多発しています。

背景には、標準のパスワードアプリの存在があります。

このアプリは生体認証またはパスコードで開く仕組みになっており、パスコードが知られてしまえば、簡単に銀行口座のIDやパスワードを閲覧できるのです。

犯人はバーなどで親しげに近づき、パスコードを覗き見た後、iPhoneを盗み、わずか数分で資金を移動させてしまうのです。

今すぐできる4つのセキュリティ対策

このままでは不安…という方のために、具体的な対策をご紹介します。

「盗難デバイスの保護」を有効にする

iOS 17.3以降で利用できる「盗難デバイスの保護」機能をオンにすることで、以下のような強化が可能になります。

  • パスワードアプリやSafariに保存されたクレジットカード情報にアクセスする際に生体認証が必須
  • Apple IDのパスワード変更には1回目の生体認証+1時間の待機時間+2回の生体認証が必要

この機能はデフォルトで「よく使う場所から離れたとき」にのみ有効ですが、職場などで常に人の出入りがある環境にいる方は、「常に」に設定することをおすすめします。

パスワード管理アプリの見直し

iPadやMacでは「盗難デバイスの保護」が利用できないため、パスコードのみで開ける標準のパスワードアプリに重要な情報を保存しないことが大切です。

そこでおすすめなのが「1Password」のアプリ。

このアプリはパスコードを使用せず、マスターパスワードによってロックしているので、パスコードが盗まれた際の被害を減らすことができます。

有料(449円/月)ではありますが、資産を守るための投資と考えれば安いものです。

もし標準のパスワードアプリを使い続ける場合は、Appleアカウントや金融機関などの情報を別の場所に避難させましょう。

AppleアカウントのIDとパスワードを覚えておく

万が一iPhoneを盗難された場合に、ブラウザでデバイスを探すにアクセスして「紛失モード」を有効にすることで、iPhoneを遠隔でロックすることができます。

しかし、緊急時にAppleアカウントにサインインされた自分の端末が手元にあるとは限りません。

周囲の人から借りた端末で「紛失モード」を有効にできるよう、AppleアカウントのIDとパスワードを覚えておきましょう。

パスコードの取り扱いに注意する

意外と見落としがちなのが、日常的なパスコードの扱い方です。

  • 可能な限りパスコードを使用せず、Face IDTouch IDを活用する
  • やむを得ずパスコードを入力するときは、必ず周囲に人がいないことを確認する
  • 万が一誰かに知られてしまったときに備えて、定期的にパスコードを変更する

ATMの暗証番号以上に、iPhoneのパスコードは慎重に扱う必要があることを意識しましょう。

まとめ

iPhoneは非常に便利で頼れるツールですが、その便利さが裏目に出るリスクもあります。

特に、初期設定のままでは想像以上に無防備です。

今日紹介した4つの対策を行うだけでも、被害のリスクは大幅に減らせます。

  • 「盗難デバイスの保護」を有効にする
  • パスワード管理アプリの見直し
  • AppleアカウントのIDとパスワードを覚えておく
  • パスコードの取り扱いに注意する

大切な情報と資産を守るために、今一度iPhoneの設定を見直してみてはいかがでしょうか?

それではまた、お会いしましょう。

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